2018年7月20日金曜日

中学生の発する救助信号

中学生の発する救助信号(SOS)について


 連日の猛暑の中、本日で1学期が終了し、明日から夏休みを迎えます。
保護者の皆様には、本校の教育活動に対しましてご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。

本日の終業式の校長講話の中で生徒のSOSの出し方についてお話ししました。
元々、SOSとは、船が海で遭難したときに救助を求めるモールス信号です。
これは航海士ならば、必ず身に付けている技能です。しかし、中学生は、苦しくてどうしようもない時、自らのSOSを出す方法を知りません。  

そこで、東京都教育委員会では、生徒のSOSの出し方について学校で取り組むよう、指導方法の例示とともに、ある教材を用意しました。その教材とは、ワカバという音楽家が作詞・作曲した「あかり」という曲です。
終業式の講話の後、この曲を生徒たちに聞いてもらいました。
 
「あかり」(作詞・作曲 ワカバ)は、動画投稿サイトなどからでも視聴できます。


『みなさん、時間を守るということは大切な価値観ですよね。でも、もっと大切なことがあるのです。今から13年前、西日本旅客鉄道の福知山線で脱線転覆事故が発生し、100名以上の方の命が奪われました。事故原因は、運転手が90秒の電車の遅れを取り戻そうと速度制限を超過してしまったことによります。電車が遅れることよりも、乗客の命が大切であるという認識が、当時の鉄道会社にも、この運転手にもあれば、事故は防げたと思います。
だから、時間を守るという価値観は絶対ではありません。時には遅れてもいいのです。命が一番大切なのです。

実は、私たち大人は、この電車事故と同じようなことを、子供たちに強いているのではないかと思う時があります。「正々堂々とがんばれ」、「最後までやり通せ」、「負けるんじゃない」と叱咤激励をします。どれも正しい価値観です。特に、中学時代は心も体も大きく成長する時期です。だからこそ、大人は中学生に頑張らせるのです。
でも、この価値観も絶対ではありません。

何かが原因で追い込まれ、逃げ場がない生徒に、このような叱咤激励をしたらどうでしょうか。その生徒はどうSOSを出してよいかわからないのです。ますます追い込まれてしまいます。

このあとの動画の歌詞の中に、「ずるしてもいいよ」、「逃げ出してもいいよ」、「負けてもいいよ」という言葉があります。これがSOSです。逃げ場がなくなった生徒にとって、最後の逃げ場、人生の非常口です。逃げ場さえあれば、命さえあれば、また必ず復活できる日が来ます。
だから、だから、本当に苦しい時は、逃げ出してください。そして、誰でもいいから、信頼できそうな友達や大人に自分の苦しい状況を伝えてください。けして、責めたりはしません。SOSとして受け止めます。

 ただし、救急車の要請と同じことですが、このようなSOS、逃げ場を安易に利用することだけはやめてください。これは、本当に苦しい人を見誤ることになりますので。お願いします』
 
 是非、ご家庭でもお子様との話題にしていただければ幸いです。
また、2学期の始業式が近づくにつれて、お子様の様子が気になる場合は、必ず学校へご連絡ください。