77年目の夏に思うこと(二学期始業式 校長講話より)
東京の猛暑日が過去最多と報道される一方、この夏も豪雨の被害が幾つも起こってしまいました。
ニュースや気象情報で度々使われる「線状降水帯」という用語は、2014年(8年前)8月の豪雨による広島市の土砂災害以降だそうです。
この夏も、何日にもわたっての危険な状況が幾度かあり、さらに被害にあった犠牲者の情報や被害地域の映像に心を痛めました。
直接の被害を免れた私たちは、様々な出来事をできる限り正しく知り、自身の関係する範囲から疑似的に想像してみること、自分の場合はどのように動き、何をし、誰を助け、どう安全を確保するかのシミュレーションをしてみるなど、中学生以上であれば自分の中での様々な心構えを更新していきたいですね。
ケースは違いますが、来週、地震を想定した引き取り訓練もあります。主体的に、自身の想像力をしっかり働かせて参加していきましょう。
さて、今年は戦後77年、77回目の8月15日 終戦の日を迎えました。日本政府による正式な名称は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」です。特集番組や識者による言論・寄稿もありました。
私の中で反芻すること、新たに学ぶことが今年もありました。
その中で、77年というのは、明治維新(明治元年)から終戦の1945年までと同じ年数であり、戦前史と戦後史が同じ長さになった、という視点を得ました。
小、中学校で歴史を学ぶ皆さんにも、この視点は共有したいと思って紹介しました。
江戸から明治になって西洋化と富国強兵を急激に進め、戦争に至った77年。
終戦から民主主義を育て、飛躍的な経済発展を経た後、新たな課題に直面している現在。
ここから先、私たちはどういう道を歩むのでしょうか。
そんな大きなスパン(時間の幅)の視点やものさし(尺度)も自分の中にもっておきましょう。
さあ、いよいよ令和4年度2学期スタートです。
1年生もいますので改めて伝えますが、私は各学期にそれぞれ位置づけのイメージをもっています。
「まずやってみる1学期」 「中身にこだわる2学期」 「未来に向かう3学期」
です。
その中の「中身にこだわる2学期」が始まりました。
勉強も行事も各活動も、現在の自分の立ち位置や課題をほぼつかんだ今、どこまでこだわって伸ばせるか、深められるか、磨けるか、の4か月です。
その中であなたの人間性が豊かに高まっていくことを期待します。自分以外の人と協力して活動する場面が多い2学期です。
自分が頑張っている時、正しいと思う時にこそ、「他人の立場に 立ってみる」視点をもつようにしてください。そこでの気づきを大切に、素晴らしい日々を創りあげていきましょう。