2020年2月3日月曜日

朝礼講話 「自分だったら…と考える大切さ」

2月に入りました。今日は節分、季節の変わり目です。昔から節分のころは邪気がたまると言われ、豆まきなどの様々なお祓いが行われてました。現代でいう風邪や感染症の流行のこととも受け取れます。予防には手洗い、特に石鹸を使用したしっかりとした手洗いが有効のようです。水道の水が冷たい時季ではありますが、学校でも声掛けを続けてまいります。また、体調の優れない時には無理な登校は避けるよう、重ねてお願いいたします。


さて、今朝の朝礼で次のような話をいたしましたので、掲載させていただきます。 [学校長]


 少し前になりますが、先月1月17日は、ある忘れてはならない大切な日でした。25年前、6434人もの人が亡くなった阪神大震災が起こった日です。阪神大震災は1995年1月17日午前5時46分に発生。最大震度7の揺れが神戸、阪神地区、淡路島などを直撃しました。死者は先ほどの通り6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人。約25万の家屋が全半壊し、電気や水道、ガスや交通機関などのインフラにも大きな被害が出ました。当時のニュース映像で強く印象に残っているのは、高速道路が地震の揺れでグニャグニャとうねり、場所によっては崩壊した場面が映されていました。これが現実のことなのかと本当に驚きました。また大学時代の同級生が兵庫に住んでいたため、仲間同士ですぐに消息を確かめ合いました。 

 ところで、地震国といわれる日本ですが、「大震災」と名の付く災害はいくつあるでしょうか。答えは3つです。関東大震災、阪神大震災、東日本大震災です。実はそのすべてで死亡原因の1位が違います。関東大震災は9割が火災。その教訓から「地震だ、火を消せ」と教え続けてきました。ところが阪神大震災は8割が建物倒壊でした。その教訓から耐震の建築や家具固定が進められました。次に起きた東日本大震災では9割が津波で亡くなりました。沿岸では防潮堤・防波堤の建設が進められています。では「次はどんな災害か」と誰もが考えますよね。その想像力が非常に大切と専門家は指摘します。
 私たちの四中でも毎月避難訓練や安全指導が行われます。四中生ですから、皆真面目に取り組んでいます。しかし次の災害が予測できない以上、真面目さに加えて「自分の頭で想像してシミュレーションすること」が求められます。誰にでもどの状況にもあてはまるベストな選択肢などありません。自分自身の置かれた状況や身体能力、行動パターンなどから「自分だったら」を想定して考えてみる。しかし、想像しシミュレーションするためには材料が必要です。その材料は過去の災害からの学びとその知識から得た視点で見た日々の生活での観察ではないでしょうか。

  今日は「阪神大震災から25年」という話をしましたが、阪神大震災後に実は大きな変化が生まれているそうです。それは災害ボランティアが定着したことです。11月の道徳授業地区公開講座での講演に来てくださった東京ボランティア・市民活動センターの熊谷さんも、あの日の講演のあとすぐに災害地区に出かけていきました。ふだん様々な仕事や活動をしながら、自分の身の丈でできる手助け、人助けを行う。「何かの時にはお互い様だから」と笑顔で体を動かす。持続可能な社会の一面ってこういうことかもしれないと感じました。
 以上で終わります。